資本論と社会主義、そして現代
現代社会問題研究会編
明石書店 2017年8月31日
2200円+税
序 本書刊行の趣旨
第1部 『資本論』と現代
第1章 『資本論』と現代経済学[伊藤修]
1 イントロダクション
2 需要と供給
3 「市場の失敗」(Market
Failure)
4 マクロ経済理論
5 結語
第2章 『資本論』と日本的雇用システム[立松潔]
はじめに――資本主義的蓄積の歴史的傾向
1 戦前日本における労働運動
2 新卒定期採用の開始
3 戦時統制経済と戦後混乱期における変化
4 日本的雇用システムの完成
5 日本的雇用の変質・劣化
6 非正規雇用の増加と格差・貧困の拡大
おわりに
第3章 『資本論』と独占資本の利潤率[熊谷重勝]
はじめに
1 資本構成の高度化は利潤率を低下させる
2 利潤率の低下に資本は抗う
3 この法則は矛盾に陥る
4 現代の独占資本と利潤率
特別寄稿1 中国の『資本論』研究およびその展望[侯為民(瀬戸宏:訳)]
1 学術定期刊行物の層での中国『資本論』研究の成果の増加状況
2 中国『資本論』研究の主題と視点の変化
3 中国の『資本論』研究陣容と研究経費支援
4 中国『資本論』研究の価値方向と未来への展望
特別寄稿2 『資本論』で「右翼ポピュリズム」を批判する――左翼党は、誤った概念に惑わされず、マルクスを指針に据えることを学ばなければならない[ユディット・デルハイム(東一:訳)]
第2部 ロシア革命と現代
第4章 ロシア「一〇月革命」とレーニン[善明建一]
1 前史として
2 「一〇月革命」を担った「労働者・兵士・農民代表ソビエト」
3 「記帳と統制」=「労働者統制」から「戦時共産主義」
4 新経済政策(ネップ)と社会主義
第5章 世界史の頁をめくったロシア革命からソ連崩壊までの総括[山ア耕一郎]
はじめに――新自由主義の対極が復活の要素に
1 ロシア革命のもたらした衝撃
2 資本主義の対応策の一環としての社会保障
3 ソ連経済の停滞、改革は試みたが……
4 一九九一年にソ連邦は活動停止、非効率な生産体制と「科学技術大国」を残して
第6章 革命期ロシアにおける労働者統制をめぐって[杉本龍紀]
はじめに
1 ロシア革命と労働者統制
2 労働者統制という試みの含意
特別寄稿3 一〇月革命の重要な遺産と中国の道成功の探索[金民卿(瀬戸宏:訳)]
1 一〇月革命は世界社会主義運動に貴重な経験を蓄積した
2 中国革命の道は一〇月革命の道の創造的発展である
3 ソ連の社会主義の失敗と中国特色社会主義の成功
特別寄稿4 逼塞の時代に何をなすべきか――スイス滞在時代のレーニン 一九一四年九月から一九一七年四月まで ある点描[ミヒャエル・ブリー(竹本明:訳)]
1 否定の定式化
2 弁証法的実践哲学と進化への飛躍の研究
3 自己の物語の展開
4 戦略的に方向付けられた社会分析
5 革命理論
6 具体的な行動をする状況としての時代の定義と可能なシナリオ
7 解放の条件としてのプロレタリア独裁の根拠づけ
8 対案的肯定としての具体的参加プロジェクト戦略の作成
9 展望
遺稿 第五回中日社会主義学者シンポジウムに参加して[杉田憲道]
はじめに――シンポジウムの概要
筆者の報告要旨とシンポジウム全体の個人的感想
シンポジウムの最後に